こんにちは、まちのべ編集部の海波かなたです。
11月20日(日)、東京流通センターで開催された、国内最大級の文学作品展示即売会「文学フリマ東京35」に出展してきました。
会場は、羽田空港と都心をつなぐ「東京モノレール」の「流通センター駅」から徒歩1分。浜松町駅からモノレールに乗りましたが、会話や荷物から「みんな目的地は一緒なのかな」と思い、胸が高鳴りました。
その予想どおり、みんなが同じ駅で降車。改札を抜けると、目の前にどーんとフォトスポットが現れます。時刻は開始30分前の午前11時30分。来場者の皆さんが列をつくる中、出店者受付を終えて会場入りしました。
私よりも先に会場入りしていたのは、直接印刷所から納品された「まちのべながと」vol.1。約7年ぶりの文芸誌制作、ドキドキしながら箱を開けると、想像以上の質感に感動。まだ始まってもいないのに、達成感が込み上げてきました。
表紙はさらさらとした手触りの「上質紙」、本編は書籍用紙として親しまれている「淡クリームキンマリ」を選んでいます。
7年前は手作業で中綴じ製本をしていましたが、あれから本業で編集ソフトを使うようになったこともあり、今回は株式会社ポプルスさんに初注文。表紙はAdobeの「Illustrator(イラストレーター)」、本編は同じくAdobeの「InDesign(インデザイン)」でデータを作成し、最後はPDFに書き出して入稿しました。
そして12時の開始と同時に、入口で待つ何百人もの来場者さんがパンフレットを持って会場へ。書店とは違って、目の前に作者さんがいて、自然と会話が生まれるのも即売会の魅力です。
今回の「まちのべながと」は、創刊号ということもあって、まず手に取ってもらおうと無料配布に。年明けに発行するvol.2からは、「出展」ではなく本当に「出店」となる予定です。
正直なところ、これまでは全ブースにあいさつをしてまわれる規模のイベントにしか出展した経験がなく、立ち止まってもらえるか不安もありました。
しかしそれも杞憂に。やきとりの写真だったり、「ながと」の文字だったり、さまざまなきっかけから会話が始まりました。遠くから見ても目立っているブースもあって、そうした装飾もこれから力を入れていければと感じました。
私もたくさんながとを語り、都内在住の来場者さんが大半でしたが、山口県にゆかりのある方、実際に長門のやきとりを食べたことのある方、下関や岩国までは行ったことがあるという方、東京に転勤した友人と、たくさんの出会いがありました。
そうして16時過ぎ。気がつけば、用意した80部の文芸誌と、そばに置いた観光パンフレットはすべてなくなっていました。
今回は出店者・来場者をあわせて、約7,445人が参加されたとのこと。即売会ならではの景色から、文学の持つ力をあらためて実感し、今後の活動のヒントをたくさんもらった5時間でした。
「まちのべながと」のタイトルを書いてくれた後輩・空雨虹(soraukou)さんも、売り子として大活躍してくれました。
これからも、こんなふうに文芸活動を通じて、人や地域の輪を広げていければと思います。
最後に、この日たくさんお話をした中で、記憶に残っているやりとりを。
呼吸をするように観光情報を語る私に「これは観光協会さんか何かの出展ですか?」と問いかけられたお客様。地域密着型の文芸サークルが本気でつくった文芸誌ですと答えると…
「それは、執念を感じますね…」
はじめて聞く「執念」というお褒めの言葉。
なんでも突き詰めていくことって大事だなと、10年間やってきた活動を思い返しながら、うれしくなった瞬間でした。
今日出会ったすべての方と、イベントを支えてくださったスタッフの皆様に、あらためて感謝を申し上げます。ありがとうございました。
さて、次の出店は、2023年2月26日(日)。
広島県立広島産業会館 東展示館で開催される「文学フリマ広島5」で、またお会いしましょう。